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IT総合プロデューサーの小幡忠信です。日常目にして、耳にして感じた社会での出来事や話題・疑問について、ITだけの枠にこだわらず多岐に渡る分野において意見や感想など発信していきたいと思います。

2011年7月27日水曜日

中国新幹線事故に思う

23日夜、中国で列車事故が起こった。
ちょうど数日前のTV番組で中国の新幹線技術に関して問題定義されていたばかりだ。中国が登録申請している技術は海外提携先の技術だという意見と、中国側は国産純粋開発技術だと言い張る。川崎重工業から供与された技術を自らの開発技術だというのである。
そして純国産技術として海外特にアメリカに売り込んでいる。したたかなのはGEと提携することにより、特許技術を含め優位に事を進めようとしている。
結局そのTV番組も実りのない論争に終始していた。

その“純”国産技術だといわれている中国新幹線が重大事故を起こした。
なんとも皮肉なことか。
“箱が出来てもソフトが伴わない”列車運行システムが如何に危急事態に脆いかが証明されたようなものだ。
我々ソフトウェア業界でも“コンピュータはタダの箱“という言葉を最近よく使う。
Googleが推進しているAndroidTabletなど正に箱(ハードウェア)は統一仕様である。如何に安く作れるかが勝負で日本のメーカは東南アジアのメーカーとのコスト戦争を強いられることになる。ハードウェアには既に付加価値はないのである。それを使いこなすソフト(ノウハウ)が重要なのだ。

日本の新幹線運行技術は世界に冠たるものだ。何よりも安全性。東海道新幹線の開業が1964年と聞く。50年近くになるが一度も大事故にあっていない。これもすばらしいことだ。今更に日本の技術が高いと感心する。
“立派な入れもの”を作り、“純”国産だと言い張り、先を急いで完成させたにはそれなりの”お家事情”があるのだろうけれど、一夕一朝には事は進まぬ。

事故のあと車両は地中に埋められ”隠蔽”のそしりを受けた
そして悪いことは続くものだ。あの大事故を起こしながら、発生からわずか1日半での運転再開や、事故車両を埋めるといった対応については開いた口がふさがらない。
再発防止のための原因究明がなされないまま、隠蔽する中国政府の対応は正に今の“中国国家のひずみ”を象徴しているように思う。

何も焦ることはない。広大な中国大陸に安全な新幹線がくまなく走る時代が来ることは間違いない。海外の運行システムを真摯に受け入れ、自国の発展に寄与させてほしいと思うのである。

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