一緒に考えましょう・・・

IT総合プロデューサーの小幡忠信です。日常目にして、耳にして感じた社会での出来事や話題・疑問について、ITだけの枠にこだわらず多岐に渡る分野において意見や感想など発信していきたいと思います。

2012年9月12日水曜日

ちょっと目を離せば・・・


秋の風物詩、案山子(かかし)が見られるようになった。もうすぐ稲刈りだ。
ジョギング中の田園風景、住宅地に囲まれているが空気を吸っていると元気が出る。今日も頑張ろうという気持ちになる一瞬である。

先日のNHKスペシャル、東日本大震災「追跡復興予算19兆円」を見た。
巨額の予算「復興増税実施(10年間)」で所得税が来年から一律2.125年間上乗せされることになっている。

問題はこの19兆円のうち被災地には使われていない予算が幾つもあるとしてそれを調査したNHKの番組だった。
“痛みを分かち合う”。国民は総意で予算執行を納得している。
25年もの永きにわたっての所得税増税。その上にこの度の消費税増税だ。国民の負担は並大抵ではない。
ただその復興予算が“復興にかこつけて”他の予算に流用され、被災地に一部が届かないとすればいただけない話だ。
番組の冒頭。沖縄の海岸沿いの国道工事が大写しにされ、これが大半復興予算から出ているという。なぜだろう。

岐阜県関市の大手コンタクトレンズ製造メーカで新しいラインへの設備投資、これも復興予算(補助金)。なぜだろう。
将来仙台にある営業所で雇用を増やすことができる可能性があるとの理由だ。
政府が決めた基本政策の中に「活力ある日本全体の再生」という文言があるために被災地以外にも使えることになったとのこと。
そのほか低炭素社会を実現する電気自動車の燃料電池の素材を開発する事業。
北海道の刑務所と川崎の刑務所でおこなわれる職業訓練。

公安調査庁のテロ対策。反捕鯨団体対策関連費。国立競技場の補修費等々、被災地以外に使われる予算は判っただけでも2兆円を超えるという。
もっともらしい理由付けをしているのだろうが納得できるだろうか。
新幹線から富士に広がる田園風景。ここにも秋が。
懸命の思いで復興しようとしている地元以外に予算が回っているとしたら国民に対して約束違反ではないか。民意に反している。
津波で壊滅的な被害を受けた街の復興は遅々として進まない状況を知るにつけ、憤りさえ感じるのである。ひと時も目が離せない。

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