一緒に考えましょう・・・

IT総合プロデューサーの小幡忠信です。日常目にして、耳にして感じた社会での出来事や話題・疑問について、ITだけの枠にこだわらず多岐に渡る分野において意見や感想など発信していきたいと思います。

2011年11月26日土曜日

“こちら”立てれば“あちら”が立たない

朝晩はめっきり寒くなった。
この週末は箕面のもみじも紅葉が見ごろかなと思い、先日の祝日久しぶりに瀧まで走ってみた。

まだ紅葉はまばら光景、12月初旬が見ごろかも。

面白いもので沢山の観光客を縫って走っているといつものジョギングメンバーと出くわし親しみを持って挨拶を交わす。走っているもの同士は仲間意識が強く“同じ穴のむじな”だ。何のことはないのだけれどこれがまた励みになる。瀧に近づくほどに紅葉が目に入るところだが、残念ながらまだまばらであった。もし紅葉狩りに出かけるのなら、見ごろは12月初旬までお預けだと思う。

山道のところどころは綺麗な紅葉が見られた。
“片方立てれば、片方立たない“ということが良くある。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)も然りだ。
一般的に工業製品について関税撤廃は望ましいと経済界は賛成している。
一方農産物になると様相が変わり農業関係者は反対している。元々日本の農業は工業製品と違い圧倒的に小規模農家が多い。広大な土地を背景に大規模農業のアメリカ等との生産規模が違うのだ。片方は機械化が進み、片方では棚田に象徴される小規模手作業農業だ。
競争力がないから安い農産物を海外から買えばいいという考えもある。しかしこと”食料“となればそれだけの理由で物事解決できないのである。それでなくても日本の食糧の自給率(カロリーベース)は平成22年度には39%まで落ち込んでいる。米も100%をきっている。これが進めば危急時の食料が確保出来ず日本の安全を脅かされないとも限らない。
輸入が途絶えれば自給率の低下の結果たちまち我々は食うに困るのである。

我が国の食料自給率(カロリーベース)は先進国の中で最低の水準
安全基準も違う。遺伝子組み換え食品の安全性基準は日米で大きな差がある。牛肉の問題(BSE牛海綿状脳症)も然りである。たちまち開放を迫ってくるだろう。
私には結論は見えないが、こういうときに曖昧な解決方法を模索するのが日本人特有の解決方法なのかもしれない。がTPPに参加するならば”是々非々“で毅然と対処せねばならないと思う。その覚悟が出来ているのか。

2011年11月20日日曜日

自由経済圏の混乱と「PIIGS」諸国

今日、日曜日は久しぶりに快晴の天高く澄んだ青空が続いた。ジョギングコースで秋を探しながら神崎川の中流まで出かけた。まだ多くの秋は見つけられなかったけれど川では水鳥たちが元気に飛び回っていた。
神崎川で遊ぶ水鳥、久しぶりの秋晴れ。

来週くらいから箕面のもみじも色づいてくるだろう。
既に“もみじまつり”の横断幕が駅前に張られている。
帰路箕面駅に立ち寄ったが、沢山の人手だった。
服部緑地にも秋が。


欧州が揺れている。ユーロ圏の金融危機である。
元々はギリシャの財政問題に端を発する局地的な金融不安が、南欧ユーロ圏欧州と広域に連鎖し、世界経済を揺さぶり続けている。
これまで経済基盤の脆弱性を指摘されてきた一部のユーロ圏諸国の事情とも複雑に絡んだ火種として燻ぶる。
一部のユーロ圏諸国「PIIGS諸国」とはポルトガル(P)、アイルランド(I)、イタリア(I)、ギリシャ(G)、スペイン(S)のことで特に経済基盤の脆弱性が顕著である。
欧州債券市場でこれらの国の国債が売り込まれその結果価格が下がると金利が上がるため、悪循環となり、ギリシャ、イタリア、スペインと軒並み財政運営が難しくなる「危険水域」年7%に近づいてきた。
そもそも各国で事情が違う中、EU通貨を一本化することに無理があるのかもしれない。そんな見直し論が出てきてもおかしくない状況になりつつある。

日本も対岸の火ではないことを先日のブログでも書いた。欧州・アメリカの財政危機。中国でささやかれている土地バブル崩壊の危機。これらが連鎖的に同時的に起こる可能性が世界経済の爆弾として仕掛けられているのである。
日本は円高に苦しめられているが、それでも我々は他人事のように日常生活を送っている。私は時々夜も寝れない不安に襲われることがある。1990年日本経済を襲ったバブル崩壊がよみがえってくるのである。あれから20年、やっと光が見えたかのように思えたのもつかの間かもしれないのだ。一度受けた洗礼。これを経験に知恵を絞って生き残り策を考えてゆこうと思う。

2011年11月16日水曜日

レナウンに思うこと


今週は東京出張だ。
東に移動するにつれ気が重い。色んな想いが交叉するからだ。
東京の住居を引き払ってからはホテル住まいだが、それはそれで不便なところもある。
まず早朝のジョギングの着替えがないので結局走れない。大きな荷物を持って出張するわけにはゆかないからだ。
今日は国交省に行った帰りに有楽町まで歩いた。
途中日比谷公園を横切って行ったが、昼間は主婦がランチしている。日本の男性諸氏はせっせと働いているのに優雅なものだと思う。


アパレル企業のレナウンが中国企業“山東如意”に買収され日本の社員が苦労しているのを10/24日のNHKで知った。
2010年、一株120円で第三者割り当てを行いレナウンの41%の株式を取得し筆頭株主になったのだ。買収金額40億円である
レナウンは1960年代より、若い女性向け衣料品メーカーとして人気を博した。CMソング「レナウン娘」と「イエイエ」で馴染みの、「ワンサカ娘」の曲といえば50歳代以上の人には記憶がよみがえってくるだろう。ポップなファッショナブルさと女性を全面的に押し出した内容であった。男性にとっては「ダーバン」ブランドがかっこよく、アラン・ドロンTVCMに起用し人気を博したものだ。
2010年、買収された「山東如意」に対し、北畑社長はこんなことを言っている。
 「山東如意はすぐれた会社で運営は日本側に任されている。子会社化との報道があるが、上下関係のないパートナーシップ。成長市場に打って出て企業価値を上げることが株主への回答につながる」
 ところが現実はそう甘くはなかったと報道は伝える。甘い!
 山東如意の会長・邱亜夫氏はレナウンに対しいきなり“渇”をいれた。
 「我々が筆頭株主であることを忘れるな。今後は我々の指示に従ってもらう!」
 「日本は何もかもが遅い。もっとスピードを上げろ!」
 「日本人はまず、自分自身を変えろ!」
 そうなのだ。経営など日本に任せられるわけもなく、明確な上下関係があり、企業価値よりも売上げ至上主義のグローバリズムの最前線に引っ張りだされたのだ。
既に優秀な社員は去り、株価は下がり基調である。凋落してゆく企業とはこのようなものだ。中国側はレナウンの培ってきたノウハウを最大限に吸収し、骨と皮になったレナウンを市場に裸で放り出す算段だろう。
名門レナウン、前例のない一部上場企業の買収劇は“たったの40億円”である。この位のお金が出せる日本企業はワンサカあるだろうに・・・。どこかおかしい。
 恐ろしい現実をテレビで見るにつけ多くの企業は“明日はわが身”と身震いしたに違いない。グローバリゼーションの波に乗るために経営者は企業の将来像をしっかり見据え海外企業との競争に勝ってゆかねばならない。
業績悪化に苦しむレナウンのような老舗が対象になる例も増えそうだ。
教訓、
1、スピード感 2、危機感 3、変化に対応する機敏性
これが今日本の企業に求められているのだ。


2011年11月12日土曜日

暑い大阪の合戦

今週は九州方面に出張した。
長崎のお客さんへの提案と、JASPA運営委員会 http://jaspanet.or.jp/ への出席だ。
我々が運営している協同組合HISCO九州支部 http://www.hisco.jp/ の主催だったので万障繰り合わせで出向いた。
JASPA運営会議の風景。各地からIT協同組合の代表が集まってくる。

久しぶりに博多に泊まったが変わりようにびっくりした。博多駅の変貌振り。ずいぶん長い期間工事中で住民にとっては不便を強いられていたが見事に変身した姿に驚いた。地元の方の話を聞くと駅周辺の整備のお陰で、人の流れが変わり福岡の繁華街天神の客筋が奪われかねない勢いのようだ。
そういえば大阪もそうだ。駅前の開発が進み駅周辺の混雑振りは想像を遥かに上まっている。名古屋も然りである。東京駅も然りである。そう考えるとJRの戦略がひょっとして各地で大きな波乱を生んでいるのかもしれない。
朝食のバイキング。サラダ中心の健康食!
長期の出張にはジョギング用品を持っていくが今回は生憎雨模様で走れたのは初日10日の朝だけだったが、走ってさわやかな気分を維持できた。


大阪市長選の戦いの舞台。中ノ島河岸にある”大阪市役所”(後方白い建物)。
大阪が騒がしい。大阪府・大阪市の同時選挙が告示された。いつもになく全国的にも注目される選挙である。
大阪といえばお笑い。選挙にも過去タレント議員が誕生したりタレントが首長になったりで政治文化の低さを揶揄された。その卑近な例では横山ノックである。
うんざりしていたが今回の選挙は様子が違う。
橋下徹知事率いる維新の会と既成政党の戦いである。
橋下知事が市長候補として平松現市長と真っ向から戦うという構図である。市民がどちらを選ぶかは非常に興味のあるところである。私の個人的な見解は差し控えるとして、大阪も政治的に不毛ではないぞ!という意味では大いに議論して大阪発文化の高さを示してほしいと思う。

2011年11月6日日曜日

キックオフ

土曜日、会社は休みだけれど10時半から午前中にかけて営業会議をやるのが定例になっている。
営業に期待するところが大なのでお客様の休日にゆっくり戦略会議をする習慣だ。
賛否両論だが20数年基本的に欠かしたことがない。
午後から雨の予報なので出勤まで1時間ほど走った。途中ぱらぱらと降ってきたけれど濡れることはなくシャワーを浴びていつもの通り出勤した。

大阪のキックオフ。会議室をぶち抜いて立食。

東京のキックオフ。大阪と雰囲気が違う。

10月から東京に転勤。ご苦労様。

10月から会社の新年度が始まった。年度初めの”キックオフ”はわが社の恒例行事である。
日本メカトロン http://www.n-mec.com/ のキックオフは早々と10月はじめに行いブログでも紹介した。
アルカディア http://www.arc-mec.com/ は10月後半に大阪と東京でそれぞれ行われ今期の抱負を各事業責任者から発表してもらった。
今期は25周年という一つの節目。
”不況何処吹く風”とばかりの計画数値を経営幹部が発表し勢いを感じた。幹部のこの気持ちを最後まで維持し続けて25周年を目標達成の美酒で分かち合いたいものだ。
それにしてもヨーロッパでの各国の動きには目が離せない。ギリシャのみならずイタリアもIMFの監視下に入った。予断が許されない世界情勢だが、影響を最小限に止める知恵をG20がその役割として果たしてほしいと祈っている。
世界で今起こっている出来事はわが社の業績にも大きく影響されることを考えると”対岸の火”で済まされないのである。注視したい。

2011年11月3日木曜日

”柴田トヨさん”のこと


先週30日(日曜日)はHISCO(協同組合) http://www.hisco.jp/index.html 主催のBBQ(バーベキュー大会)を予定していたが何故かその日だけが雨日和になって中止となった。
“雨おとこ”は誰だと犯人探しをしている。
大阪南港にある会場まで箕面からジョギングスタイルで出かけたが中止の連絡が入り途中で打ち切った。私にとっては最長距離であったが残念。

東京事業所の近く”北の丸公園”は秋の陽射しが差し込み静寂さに包まれている。


平成21年、一冊の詩集を買った。
柴田トヨ著“くじけないで”。
今年100歳を迎えた“詩人柴田トヨ”である。といっても90歳を過ぎてからの初版である。人生の重みをさりげなく表現していることに感動と勇気を与えられた。
先日100歳を迎えられたという記事を読んで本棚にしまってあったその本を取り出しアタッシュケースに入れて出勤している。出張の道すがら時折開けて無造作にペ-ジをめくると、そこここに日常的な自分が詩の中にいることに気づく。
トヨさんも、きっと長い人生で色々な経験をされたのだろう。それが詩となって人に共感を与えているのだ。
父の顔・ぬくもりも知らないで母の愛だけを一杯受けて育った私とどこか二重写しに思えるのである。親に何一つ恩返しできなかった私は、生涯ずっとそのことを思いつつ、人への優しさが何かを受け継いでいかねばと今更に思うのである。
柴田トヨさんの詩集のなかに“くじけないで”という詩がある。それをご披露しておく。
  「くじけないで」
     ねえ不幸だなんて
     溜息をつかないで
     
     陽射しやそよ風は
     えこひいきしない
     
     夢は
     平等に見られるのよ
     
     私辛いことが
     あったけれど
     生きていてよかった
     
     あなたもくじけずに