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IT総合プロデューサーの小幡忠信です。日常目にして、耳にして感じた社会での出来事や話題・疑問について、ITだけの枠にこだわらず多岐に渡る分野において意見や感想など発信していきたいと思います。

2012年10月6日土曜日

出生前診断


早朝ジョギングの途中立ち寄った公園。陽だまりのベンチが”人恋しそう”

医学が進化することで多くの難病に光を当てることができる部分と、生命の尊厳が脅かせることが背中合わせに起こることがある。
我々が倫理上背負わなければならない大きな十字架だ。
 “出生前診断”の技術がアメリカから上陸する。
妊婦の血液検査だけで染色体の異常が99%以上の精度で診断できるとされる母体血検査が日本で始まろうとしているのだ。先日NHKで報道されて初めて知った。
日本では、胎児の異常(障害)を理由とした中絶は法的には認められていない。
しかし、「母体保護」や「経済的困難」という名目で、中絶が広く行われているのが実情らしい。
胎児の異常を、早期に正確に把握し、母体と胎児の健康を守るための“出生前診断”だが、
その一方で、障害の「宣告」、出産の「葛藤」、そして「命をめぐる決断」が日々繰り返されている。当事者にはつらい選択なのだ。
このような早期発見が本当に親にとっても生まれる子どもにとっても幸せなのだろうか。
出生前診断の結果、障害児を産み一生育てるという立場に置かれた女性の中絶を選択する権利と、
障害を持つ“物言わぬ子ども”の生きる権利を奪うことへの罪の意識。
対峙した難しい問題を我々は突きつけられることになった。

私は日頃から“人の縁”を大切にしている。
”生命”としてこの地球上に生を授け、歴史の点を残して逝くこの“刹那”が、まさに“多くの縁”の始まりである。
そんな“多くの縁”の始まりを私たちはそう簡単に絶って良いのだろうか。
“生きる権利”は尊いはずだと思う。

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