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IT総合プロデューサーの小幡忠信です。日常目にして、耳にして感じた社会での出来事や話題・疑問について、ITだけの枠にこだわらず多岐に渡る分野において意見や感想など発信していきたいと思います。

2011年7月3日日曜日

無策政府で円高止まらず

日曜日。雨が降りそうなどんよりとした天気だったので早めに走ることとした。豊中を過ぎたあたりでこの夏初めてのセミの声を聞いた。
昨年のブログには7月1日に自宅近くで“あぶらせみ”の声を聞いたと書いてあったが、今日は7月2日。実に正確に鳴き始めるものだ。そういえば先週くらいまで箕面川ではホタルが目を楽しませてくれたがぱったりいなくなった。季節はめまぐるしく移り“主人公”が変わっていくのだ。
途中少し雨がパラついたが帰宅の昼頃には晴れ間も見えてきた。
気温は既に30度くらいの体感だ。蒸し暑い。 
田植えから2週間、もう30cm位に育っていた。
「東日本大震災で日本の危機なのに、なぜ円高になるんだ?」。多くの人がそう思っていることだろう。私もそう思う。
しかし最近の円相場は「その国の経済力や国力を反映する」などという通俗的なイメージでは語れなくなってきたのだろう。
今回の被害での国内損保業界の支払予想額は6000億円強。大手損保3社の手元資金は1兆円近くあるため、「わざわざ海外の資産を売ってまで国内に資金を戻す可能性が低い」と市場は見ている。
と同時に日本が現在年間10兆円を超える経常収支黒字大国(2010年は17兆円の黒字)であることが市場円高要因を作っていると見られている。
教科書風に言うと円相場は外貨の供給曲線と需要曲線の均衡点で決まるわけだが、なんらかの事情で投資家の外貨需要が弱まり均衡点は円高に移動してしまっている。大筋このようなことだろうと言われている。

もう少し簡単に言うと、二国間(日米)の通貨量の比率が為替に影響するのである。例えばドルが相対的に円より少なくなればドルの希少性が高まりドル高(円安)になる。その理屈で言えば米国のQE2(量的金融緩和第2弾)は6月末で終わるから、ドルは相対的に減少しドル高傾向になるはずだ。
「にもかかわらず、円高になっているのはなぜか。」
ひとつには日銀が震災後の通貨増発方針を転換して、このところ円の量を減らしているからだ。
また、米国はQE2終了後もあまり通貨量を絞らない見通しだという。となれば今後も円高圧力が続くと見るのが自然だ。
加えて、今日のNHK討論番組でも民主党岡田幹事長が赤字国債の発行に必要な「特例公債法案」について早急に成立させたい意向を述べた。
政府は復興のために国債を出して、直後に増税すると見られている。そうなると“金利が高くなる可能性”があり、それは“円高に作用”する。
日本銀行が金融緩和すれば円高を阻止できるが、今のところその気配はない。日銀の“円の増発拒否”の姿勢は明確なので、円が相対的に少なくなり円高に動く可能性が高い。
となると、輸出の足を引っ張り景気回復に水を差す。
日本は大震災後に、政策対応のまずさで二度殺されるだろう。

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